JIS H 8602改正に伴う変更について
JIS H 8602(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合被膜)が約17年ぶりに大きな改正となり、従来の仕様規定から性能規定へと変わりました。
これに伴い、従来の表記から変更となる点がありますので、お知らせいたします。
◇主な変更点◇
@ 種類の変更
種類 |
塗膜 |
用途例(参考) |
A |
透明系 |
建築部材(屋外過酷環境) |
B |
透明系 |
建築部材(屋外) |
P |
着色系 |
建築部材(屋外) |
C |
透明系 |
建築部材(屋内) |
改正前JIS:JIS H 8602:2006
種類 |
適用環境(参考) |
A1 |
屋外(苛酷環境かつ紫外線露光量の多い地域) |
A2 |
屋外(過酷環境) |
B |
屋外(一般環境) |
C |
屋内 |
改正JIS:JIS H 8602:2010
塗膜の種類において、透明系/着色系の区別(P種)が廃止されました。
新たに紫外線露光量の多い過酷環境での使用を想定した種類“A1”が設定されました。
屋外過酷環境はA1、A2の2種類となります。
A 膜厚に関する変更
種類 |
皮膜厚さ |
塗膜厚さ |
A |
最低9μm以上 |
最低12μm以上 |
B |
最低9μm以上 |
最低7μm以上 |
P |
最低6μm以上 |
最低15μm以上 |
C |
最低6μm以上 |
最低7μm以上 |
改正前JIS:JIS H 8602:2006
改正JIS:JIS H 8602:2010
種類 |
皮膜厚さ |
塗膜厚さ |
A1 |
平均5μm以上
(最低:5μm×80%以上) |
規定なし |
A2 |
B |
C |
改正JISでは、皮膜厚さは平均5μm以上、塗膜厚さは規定なしとなります。
改正JISの種類では、表面処理メーカー毎の仕様による皮膜と塗膜厚さになります。
これらに加え、陽極酸化塗装複合皮膜の試験時間の長時間化や、
新たな適用環境(※)が追加されました。
(※)適用環境
“苛酷な環境”とは、腐食・劣化の激しい海浜及び沿岸をいい、“一般的な環境”とは、工業地域、都市地域および田園地域をいいます。
また、海浜とは海岸線から300m以内の地域を、沿岸とは海岸線から300mを超えて2km以内の地域をいいます。
今回新たに加えられた紫外線露光量の多い地域とは、亜熱帯海洋性気候に類似した地域をいいます。
この変更により、今後当社のアルマイトツヤ消しクリアー製品は、全てA1種となります。
なお、2010年7月出荷分より、新規格を満たしております。
2011年1月7日